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izaブログで名を売らせて頂いた原点の「戯言」が書いてある「過去帳」です。 忘れたくない原点ですので、更新はしませんが、削除もしないスレッドです。
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折りしも明日の仕事での訪問先が「老人介護福祉施設」のワタシ。

福島や広島で同じような事件が起こったが、救う手は幾らかあった筈。

しかし現実の厳しさもある。


認知症の母の首絞める=娘を逮捕、「将来を悲観した」-警視庁
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080608-00000019-jij-soci
(6月8日12時1分配信 時事通信)


認知症の施設も併設されている明日訪問予定の顧問先。

現場で何度も対応してきた経験から、認知症の大変さは十分に判っている。

だから殺意を抱く気持ちは十分に察する事が出来る。

しかし、殺害は好ましいモノではない。

だから、余計に心が痛んでしまう。


何故最近こんな事件が多いのかを考えてみる。

それには様々な背景がある。


ひとつは「厚生労働省の施設に対する給付減額」である。

厚生労働省が施設利用を「在宅型」にシフトした。

在宅型とは「施設入所者」を出来るだけ少なくする方針でもある。

「デイサービス」「ヘルパー」を中心に利用し、自宅で介護しろと言う話である。

「在宅型」にシフトした結果、施設に対して「報酬」が下がった。

報酬が下がったので施設従事員に対する給与が安くなった。

それでなくても、介護施設の給与は決して高いモノではない。

そこで「人材不足」が起きてしまう現実もある。

だから、まともなサービスが出来なくなっている施設も見た事がある。

だから、簡単に新しい施設が出来難くなるのである。


ふたつは「認知症施設の利用者に対する絶対数の不足」である。

特別養護老人ホームやグループホームの「待機人数」が余りにも多い。

その裏には「施設を下宿代わりに」の方の利用ってモノもある。

何の事はない。家庭で邪魔にされた高齢者が「姥捨て」状態で入所しているのだ。

何処も悪くない状態で入所するが「精神的ショック」で鬱を患う方が多い。

単に「家族の無責任」で、介護度が高くなって行く方も幾人か見た。

その影響は大きい。むしろ「施設不足」を巻き起こす要因である。

認知症状が重かったり、介護に緊急を要する方が入れない状況が発生するだけ。

有料老人ホームに入れるにも、金が無くて入れられない人も多い。

まして「施設の建てすぎ」も指摘されている昨今である。

もしも「家族が放棄したくなった」

それだけの理由での入所であれば、自主的に「有料老人ホーム」へシフトすべき。

言いたくない話だが、利用者の方から聞いた話を書いてみる。

「私の年金は、息子に管理されているんです。」

「施設に払う金とわずかな小遣いの残りは全部勝手に使われているんです。」

「のけものにされた挙句、金まで取られて、生きる望みなんてありません。」

「もっと環境の良い有料老人ホームに入れてもらえないんです。」

「周りはお話しようと思っても口の聞けない方も居るから淋しい。」

「本当にここは姥捨て山です。」

この話は一人ばかりではない。

そんな現実も「施設への収容不足」を促しているのだ。


みっつめは「ケアマネージャーの使われ方」もある。

「ターミナルケア」なんて綺麗事を学者の様に言うケアマネも多い。

ターミナルケアとは「自宅・施設・病院の連携ケア」である。

この事件に見る事は何か?

ターミナルケアを現実として行って居れば、こんな事は起きない。

確かにケアマネは給与の割に仕事がきつい。

だから、放って置いた訳でも無い事もわかる。

ケアマネとして「月間相談料」に該当する報酬は10,000~15,000円

しかし法律が改正され昔の様に50人とかを管理出来なくなった。

その上、研修義務が多く、実質平均収入は250,000~300,000円程度

そこから事務所経費を引かれて給料を貰う。

そんな職種に誰が魅力を感じるか?

有能なケアマネがどんどん居なくなるだけだろう。

当然「ターミナルケア」は夢だけになってしまう。


世論は「税金値上げ反対」を論じている。

しかし、その前に考えなくてはいけない事がある。

高齢者を大切にして共同生活すれば、ある意味の「介護保険負担」は無くなる。

そこに「ケアマネージャー業務の報酬増加」を加える。

そのために少しだけ税金を上げる。

そうすれば、こんな悲劇は起こり難くなると考える。

明日の顧問先は「必要な方だけ」が入所されている施設だ。

そして「赤字を覚悟でケアマネに給与支給」をしている。

更に「認知症のターミナルケア」もしっかり行っている。

だから周囲利用者の悲劇を聞いた事が無い。


全ての利用者と施設側が認知し、正しい利用さえすれば・・・

もう「姥捨て山」の老人福祉施設利用は止めて欲しいと願うだけだ。

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コメント
無題
仕事の過酷さに応じた賃金が支払われなければ人は集まりません。ましてや 命を預かる介護の現場。本人のため、周りの入居者のため 良かれと思いした行為が「虐待」ととられたり・・・
(勿論、本当の虐待もあるでしょうが)
そりゃ、ストレスも溜まりますって。
辞めていく人も多いようだし・・・
このままでは、我々がお世話になる時代には外国人による介護が当たり前になるかもしれませんね。
役人や政治家は本来、金をかけるべき所の財源をカットし、未だにどうでも良い所にジャブジャブ税金を投入する。
国民も国民で、自分さえ良ければ他人の事はどうでもいい。残念ながらもうこの国は再生不能なのかもしれません。
【2008/06/09 08:35】 NAME[浮雲亭とんぼ] WEBLINK[] EDIT[]
そう言えば
とんぼさんも老人介護施設に訪問される職種でしたよね!
かなりリアルにコメント表現して頂き、有難う御座います。

国民の認識は確かに大きな課題ですね。
【2008/06/09 13:20】
たとえば・・・
一方で、一刻を争う救急患者
一方で、救急車をタクシー代わりに使う人

いろんな場面に、こんな構図・・・
【2008/06/08 23:51】 NAME[くじらいだー@] WEBLINK[URL] EDIT[]
わかりやすいですね
様々な構図・様々な矛盾

明日の訪問先や、過去に関わった方々を思い浮かべ書いてしまいました。
「何でも正しく使いましょう」
こんな感じなんでしょうね。
【2008/06/08 23:56】


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