今朝のニュースで「他人事ではない」と痛切に感じたこの報道。
以前から「もしかして誰かが?」と思って居た事が現実となった。
都はるみ事務所社長・中村一好氏が自殺
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080408-00000047-spn-ent
(4月8日7時8分配信 スポーツニッポン)
世間の方々は「テレビに出ていないから」と芸能人の年収を推察する。
「ああ、あの人は最近出なくなったから大変なんだな。」
そんな風に勝手に「過去の人」にされてしまう。
しかし、毒舌漫談で有名な「綾小路きみまろさん」はどうだ?
彼は「テレビに出ていない」が「各地のステージ」で稼ぐ芸能人である。
ワタシの友人には、結構「芸能界と関り合いがある」人間が沢山居る。
まあ「昔のバンド仲間」であるが・・・ その生業を挙げてみる。
舞台音響・・・・・・「PA屋」と呼ばれステージの音響を担当する
照明・・・・・・・・・・言うまでもなくステージの照明を担当する
音楽ペンション・・・スタジオと宿泊所が一緒の処
その仲間達が数年前から聞いている事はひとつだけ。
単価が落ちているんだ・・・
よく行われる「公会堂」とかの大きなホールで「コンサート」
昔は「広告を余りしなくても」確実に満員になった。
「テレビと言う娯楽」から生まれた欲求「芸能人との触れ合い」を求めて。
演歌歌手がもてはやされ、紅白歌合戦が特段の企画無しで高視聴率!。
そんな時代の事である。
しかし・・・
「テレビは娯楽」では無くなり「芸能人は隣に居る」感覚となる。
「ビデオ⇒DVDの普及」に伴い「ステージは自宅で」に変わる。
「カラオケが当たり前」になり「誰もがテレビに出られる」
その上「演歌歌手」の立場は日に日に価値が衰える。
もっと掘り下げて言おう。
PA屋の友人が2年前から呟いていた事。
「最近はスリーピース(三人組)のプロステージが多いんだ。」
「しかも会場が50人・多くて100人だぜ!単価安いんだよ。」
「あのCHARでさえ、50人のキャパでステージするようになったんだぜ。」
「大きな会場では経費倒れになるから、みんなやらなくなったよ。」
「俺達はこれから殺されるかもしれないな。」
音楽ペンションの友人もまた同じ・・
「俺んちも時代の変化を感じるね。昔はこんな処にプロは来なかった。」
「東京でスタジオ借りるよりもウチは単価安いしね。」
「泊まって・レコーディングして・スタジオより安いからね。」
本件に戻って解説させて頂き「何故」の理由を紐解いてみる。
華やかなはずの「芸能界」に居るのに?
名プロデューサーとして素晴らしい仕事をしてきたはずなのに?
何故「自殺」に走らなくてはいけなかったのか?
あくまでも仮説であるが、記事の最後を見て思った。
90年に歌手復帰したはるみのCDだけでなくコンサート演出なども手がけてきた。
・・・・・資金繰り困難が一番かも知れない。
この人も「世の中の変化」の犠牲者なのかも知れない。
その裏付を考えると、こんな理由が存在する。
1.当該事務所は「開設からステージ終了」までを行って居た。
2.主催者側に課せられる負担(下記の通り)が余りにも大きすぎた。
①テレビ広告等の「メディア広告」支払
②演奏する方々への報酬(ギャラ)支払
③会場費・設営費(PA・照明費を含む)の支払
④チケット・ポスター等の支払
⑤その他諸経費
⑥タレントへの報酬(ギャラ)支払
3.上記を「広告代理店」に発注した。
(広告代理店のマージン加算が負担となった?)
前述にワタシの友人達の話をさせて頂いた事を踏まえて頂きたい。
当然資金繰り困難に陥る。
まして・・・芸術肌の人間なら
試しに「ワンステージの収支決算」を勝手にやってみる。
【収入】(満席2,000人として)
S席・・・12,000円×100人=2,400,000円
A席・・・10,000円×500人=5,000,000円
B席・・・8,000円×600人=4,800,000円
C席・・・5,000円×800人=4,000,000円
合計・・・・・・・・・・・17,000,000円
【支出】(あくまでも予算段階)
①テレビ広告等費用・・・・・・・・・・4,000,000円
②演奏する方々への報酬・・・・・・4,000,000円
③会場費・設営費・・・・・・・・・・・・2,000,000円
④チケット・ポスター代・・・・・・・・・1,000,000円
⑤その他諸経費/予備費・・・・・・3,000,000円
⑥タレントへの報酬(ギャラ)・・・・2,000,000円
【上記に対する利益】・・・・・・1,000,000円
もしも「満席」にならなかった場合を考えるとどうか?
なかなか「満席」にならず「余剰費」をCMに向けたらどうか?
後は皆様の想像にお任せするとしよう。
チョッと補足させて頂けば②③はもっと安いかも知れない。
何故なら、演奏・PA・照明関連のギャラはきつい程安いから。
殆どの「トリ」は広告代理店の可能性が高いから。
華やかしいと思われている芸能界。
ワタシの勝手な妄想かも知れないが、こんな現状があると考えた。
友人も携わって居る事もあるので「他人事」ではない。
勿論ワタシだって過去に携わって居たし・・・
「変わってしまった芸能界事情」を憂いながら・・・・
中村一好氏の冥福をお祈りしたいと思う。
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