まず、世の中に一言モノ申し上げたい。
私は「借り逃げ」も十分犯罪に値すると考える人間である。
借り逃げした後、連帯保証人の立場はどうなるのか?
「破産」と言う常套手段を使って逃げた人間を取締る法律は現在一切無い。
泣く泣く借財を負う「馬鹿が付く程お人よし」の保証人。
その保証人は「騙された人間」として泣き寝入りを余儀なくされるのが現実。
・・・・・私もその一人。
だから、今回の新東京銀行の一件を「別な側面」でお話させて頂く。
新東京銀行も悪い。
しかし、そこまで追い込んだ「沢山の確信犯」が一番悪いから。
東京都が1,000億円を出資して設立し、多額の累積赤字を抱える「新銀行東京」(東京都千代田区)は10日、元代表執行役ら旧経営陣が反対意見を押さえ込む「独善的な業務運営」が経営悪化を招いたとする報告書をまとめ、同日夕に公表する。報告書には、旧経営陣が「貸倒引当金を使い込め」と繰り返し指示するなど、常識を逸脱した発言の数々があったことも盛り込まれた。(産経新聞)
こんな話が世間を賑わしている。
税金を投入した金融機関の問題なので、騒がれても仕方無い。
しかし、その前の報道にも触れれば・・・
東京都が1,000億円を出資して設立した新銀行東京(千代田区)で、貸し付け後に経営破たんした企業への融資は昨年12月末現在で600件に上り、計86億円が焦げ付いていることが6日、新銀行による都議会への説明でわかった。(読売新聞)
笑えないが、実に笑える話であろう。
また「無責任な輩の犠牲者」が出ている。
それは「借り得」「逃げ得」と言った、末端の浅ましさも問題のひとつだと言う事がクローズアップされないからである。
それを考えれば「逆切れの状況に追い込まれている」新東京銀行である事が、世間では認識されていない。
だから笑えるのである・・・・・
「貸倒引当金を使い込め」
これはまさに金融機関側での「逆切れ」と言う事を世間は知らない。
例え記者会見をしても
「借りにげした奴等ばかりなので」とは言えない。
まして
「税金の借入なんですから、何とか返済して下さい。」
そんな事さえも、涙ながらに言えない。
単に報道側は「貸付の拡大とそのボーナス」のみを煽って報道する。
新東京銀行側は、ボキャブラリーが欠如しているので
「煽られた質問しか答えない」
・・・可哀そうと言うか 馬鹿と言うか
問題はここにもある
知っている筈のジャーナリストさえ、この事には触れない。
徹底的に「新東京銀行は悪者」と世間に振れ込む為でもあろう。
「知ってても言わない・知らないで怒り続ける」
すこぶる平和な国、日本である。
「無責任」「ずさんな経営」
そんな言葉で、それこそ「無責任」な報道を繰り返すマスコミ。
しかし・・・
「金融系コンサル」も生業で行って居るワタシとしては、側面は別である。
そして「サラリーマン集団が何を言いやがる。」ってのが本音である。
税金投入の問題はあるものの原理を解らなければ責める事は出来ないと。
新東京銀行の誕生は2003年。
実質稼動は2005年。
東京都知事である石原慎太郎さんの主導で旗揚げした。
東京都が「東京発金融改革」を目的に。
「資金調達に悩む中小企業を救済すること」を理念として。
しかも「無担保・無保証」を取り入れて。
・・・・・いまどき無いよ!
困りまくった中小企業にとってそれはまさに「神の手」であったろう。
ワタシも東京都で仕事をしていたのなら、喜ばしい話である。
そこで、東京って街の「無責任企業」が多い事があからさまになる。
焦げ付きが昨年12月末現在で600件・計86億円。
おおむね1,500万円ずつ600件の企業が「借り逃げ」した事になる。
何故、この事が問題にならないのか?
「簡単に破産させる我が国の法律が悪い」と、誰も言わないのが不思議である。
別件で考えれば・・・
以前「アイフル」が取り立てに問題があると、一時営業停止にまで追い込まれた。
その時も考えた。「日本は本末転倒な国なんだな」と。
借りる時ばかり良い顔して、返せないと逆切れする。
逆切れの集団が「被害者面」して、訴えを起こす。
世の中も馬鹿だから「仕方無いでしょう」で済ます。
それだけなら良いが、消費者金融を「悪人扱い」する。
借りた金を返してもらうのがそんなに悪い事?
誰が悪いのでしょうね?
ワタシは業務上「最後の借入」を担う事が多い。
金融機関用語で言う「ハケ」である。
借入依頼を受け、業務はこんな感じで行う。
①企業の社長と面談「借入の何故」を問いかける
↓
②今迄の反省点・これからの計画等を「自筆」で書いて頂く
↓
③これから「何を」「どうして」「どのように」収入を得るか書いて頂く
↓
④必ず幾ら・何年間払うと念書もどきを書いて頂く
↓
⑤ワタシがそれを基に「経営改善計画書」を作成する
↓
⑥金融機関に提出し「最後の融資」を依頼する
↓
⑦金融機関を納得させ「最後の融資」を決済して頂く
お陰さまで、今の所「焦げ付き」の報告は受けて居ない。
何故なら「この人は永遠に無責任であろう」と判断が直に出来るからである。
それは④まで進めない方がほとんどであるから・・・
自転車操業に追い込まれ「借り逃げ」しようとする人間は反省点を自筆で書けない。
例え書けても「何を」「どうして」を書けない。
あくまでも「書かない」のではなく「書けない」のである。
それは、証拠として残すのが嫌だからである。
ワタシは、幾ら大変な方でも「書かない」人は「口だけ」と判断する。
それは「言った」「言わない」が大嫌いであるから。
ゆえに自己責任追求を「出来ない」「しない」方だと判断するからである。
以前ワタシが「泣かれて」保証人になったにも関らず「逃げたろくでなし」
そいつらが、全てそのタイプであったから。
だから「貸付を行う前」に人間性の判断をし、例え泣きを入れられても絶対応じない。
その場しのぎの嘘に絶対騙されないようにしている。
真剣さが足りない人間には、約束を履行する気持はさらさら無い。
世の中に不良債権を一つでも増やしたくないから。
新東京銀行は、ここまでは行わなかったのが一番悪いと感じる。
こんな方法で融資に望むので、以前こんな電話があった。
建設関連を行って居る業者の社長さんからである。
こんな感じで話をなされた。
冗談抜きで、指を無くして良いですか?
現場事故で指が無くなったと言えば、保険が下りますよね。
そうして早く借金を返さないと不安なんです。
何となく惨めで嫌なんです。
彼は最後は泣き声に変わった。
その位「借金を返す責任」がある方々に融資したのだと、ある意味嬉しくなった。
しかし、指を落されたら困るので
「事業計画の○○をきちんと実行していますか?」
「これが失敗に終わったら、また話をしましょう。」
そんな話で終わり、彼は落ち着きを取り戻し、現在も頑張っている。
話を元に戻して・・・
諸悪の根源は何か?を単純に考えれば
金融機関に与えた「貸倒償却制度」をもっと見直す
↓
本気で取立をするようになる
↓
税金の無駄遣いが無くなる
それには
個人・法人を問わず簡単に破産させない
↓
責任追従をとことん行う
それが必要なのである。
「名義が違うから」「責任期間が終わったから」
そんな馬鹿げた言い訳で、財産があるにも関らずお金を返さない。
そんな事を言う奴に限って「私達の税金が無駄遣いされている」と文句をたれる。
・・・周辺に居るでしょう?
一番懸念されるのは
本気で返済している「新東京銀行から最後の融資を受けた」
そんな頑張っている企業が
「この金融機関は閉鎖します」「だから全部返済して下さい」
そんな処遇を受けたらどうするか?
それだけである。
新東京銀行の「責任追従」はまず「今迄受けた報酬の適正返済」から始めれば良いのだ。
どうせ「泡銭」で残して居る輩が多いのだから、返して貰えば良いのだ。
返してもらえないなら、それこそ「金利を取って」返済してもらえば良いのだ。
破産なんかしたら「世間体が悪い」輩ばかりであろうから。
どうせなのだから「金利還元」をしてあげれば良いのだ。
「スーパーマーケットの従業員がお店から品物を買う」
それと同じ原理ではないか?
誰がそれに気がつくかな?
多分「お利口な人達ばかり」だから無理であろう。
今回も笑うばかりである。
昼休みも終わりだから、ここらで終わりにしよう・・・
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