今日は老人福祉施設の顧問先におじゃました。
種類は「高齢者認知症施設」「通所介護」「訪問介護」を行っている施設である。
いずれも「介護保険事業所」である。
禁止用語を含め解り易く言えば
高齢者認知症施設⇒グループホーム(ボケ老人を預かる施設)
通所介護⇒デイサービス(老人の幼稚園のようなもの)
訪問介護⇒ヘルパーステーション(これはご存知かな?)
こんな仕事をしている事業所である。
表現はいささかまずいと思うが、悪意は全く無いので、勘弁して頂きたい。
何時もの如く代表者との世間話をした時、何となく感じた事があった。
本日はそれをお聞き頂きたいと思う。
業務を終え、お茶を頂いている時に、入所者のご家族より電話があり、話をしていた。
話を終え、代表者は咳を切ったようにおっしゃった。
うちの入所者のご家族から「ここを出たい」話があったんです。
ここを出て、特老(特別養護老人ホーム)に入れたいそうなんですよね。
ワタシは答えた
確かに「グループホーム」より「特老」の方が価格が安くなるので、仕方ない話かも知れませんね。
お金が無ければ、それは確かに仕方無い話ですね。
代表者は返した
でも「出て行く」って事は「間も無くお亡くなりになる」事なんですよね。
皆さん、私の所を出て行って、一年内にお亡くなりになるんですよね。
でも、仕方無いんですよね。
人間はそんなに長生き出来ない。弱くなったら亡くなる。
自然淘汰ってもんがあって当たり前なんですよね。
ワタシは「体験して・解っていても」重い言葉に心が揺れた。
更に代表者は話を続ける
ご家族の方もわかってるんですよね。
ウチ(グループホーム)では世間体が悪い。
「ボケ老人が施設で亡くなった」ってね。
特老に入って、病院に搬送されて「大往生でした」ってのが、誰にも文句を言われない。
だからウチを出て行くんですよね。
病院は「死亡証明」が間違いなく貰える処ですからね。
業務上数多く携わっているこの業界であるが、何となく背中に寒いものを改めて感じた。
代表者は確かに、大きな総合病院で「看護婦長」まで務めた方。
クールに物事を話される分、リアルさが大きくなる。
今は「亡くなる」事は
「単なる事務処理」で終わる事が多いんだ・・・
何故今日のタイトルが?って意味が段々お解りになって来たと思う。
今日の疑問は
「みんな、お年寄りを姥捨て山に捨てに行くんだな。」
そう言う独り言です。
今の世の中、あまりにもお年寄りが元気なせいで、親を大切にすると
「あんたマザコン?」とか「お前ファザコンかよ?」
そんな中傷を受ける事が多々ある。
かく言うワタシも「マザコン」と言われながら「それなりに」母親を大切にしてきた。
「面倒見たくない」と捨て台詞を吐かれても、父親の寝たきりに亡くなるまで付き合って来た。
それは、ワタシの概念の中で
「大切な家族と一緒に住み続けるのは当たり前」
だったからなのである。
約18年前、ワタシが大切にしていた叔母さんが亡くなった。
ワタシを自分の子供のように可愛がってくれた叔母である。
胃癌の宣告を受け、3ヶ月の命と聞いた時、こう思った。
「これから3ヶ月、一生分会いに行こう。」
そして3ヶ月間、週に一度100Km往復をして会いに行った。
亡くなる日、叔母は実に信じられない程元気に話かけてくれた。
「今、冬だけど、食べたいものがあるんだ。メロンのかき氷。」
叔母はワタシに「絶対売って居ない」注文をした。
冬さなかである。当たり前である。
しかし、2時間車を走らせ続け、かき氷を購入出来た。
叔母は、たったひとくち食べた後
「体にしみる位美味しいよ。ありがとう。」
精一杯笑って言った後「もう、休むよ。」と最後の言葉を残した。
約3時間後、叔母は47歳の生涯を終えた。
そんな事があってから、ワタシは「育ててくれた親」を振り向くようになった。
弟も、弟の家族も、遠くから親を見守ってくれた。
それが例え「父親が寝たきり」になっても。
我が家族はある意味一丸になって「面倒は家族で」を貫いた。
嫁は辛かったのかも知れない。居なくなったのだから。
でも「施設に預ける事なく頑張ろう」と協力的に時は流れた。
しかし・・・
親父が一昨年の「クリスマスイブ」に亡くなった時、こう思った。
「お袋の愚痴を聞かずに済む。やっと長男の呪縛から解放される。」
そして・・・
多分、母親が亡くなればこう思うだろう。
「やっと一人になれた。やっとまともに三度目の嫁をもらえる。」
自分で考えて、実に寒々とする。
飾った「美学」は無い。しかし、これが「老人を大切にする事」だと考える。
でも・・・
目に見えてわかるものが残った「充実感」がある。
弟の子供達は「いじめ」も「ドロップアウト」も無い。
家族・兄弟をはじめ、ワタシの事も大切にしてくれる。
世の中は・・・
老人を放ったらかしにして「汚い」「面倒」様々な言葉を理由に「姥捨て山」に皆捨てに行く。
それが「介護保険施設」である事が多い。
ワタシが現場に出て、入所者の方々とお話させて頂く事もあり、寂しい方も沢山見た。
“ウチで「汚い」扱いされるより、まだ良いけどね。”
そんな呟きを何度聞いた事か・・・
元々、身寄りの無い、自分では生活が出来ない方々の為の「養護老人ホーム」
しかし「経済社会」の中で「綺麗な家庭」を築く為に使われてしまった・・・
「人間ゴミ箱」扱いの「老人ホーム」への変化。
さらに「ボケ老人を捨てたい」と願って居た人が両手を上げて喜んだ「グループホーム」の出現。
この運営も税金なんですがね・・・
財団法人にも怒ったコメントをさせて頂きましたが
「特別養護老人ホームの姥捨て山化」
それも税金の負担が大きい事を皆さんはあまりご存知無いでしょう?
でも「臭いものに蓋をしたい」から
税金が益々使われて行くのです。
まあ「親を老人ホームに預ける」事をする。
子供は親の真似をする。
きっとご自分も「老人ホーム」に預けられる事になるのでしょうから・・・
よく考えて頂きたい。
時代は繰り返されます。
家族は大切に!
[4回]
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