独立行政法人「雇用・能力開発機構」の間違った解体を説明してみる

「雇用・能力開発機構」解体し、主要事業を廃止へ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080817-00000018-yom-pol
(8月17日10時9分配信 読売新聞)

本来するべき独立行政法人解体を先に行わない「ロクデナシ解体」が始まった。

世の中が「何でも反対」の風潮であるので、しっぺ返しを喰らった形なのだ。
どうせ曲げられない決定事項なので、淡々と説明がてらの私見を書く事にする。


独立行政法人「雇用・能力開発機構」は、意外に世間に密着している。

わかりやすい例を書いてみると、きっと頷けるだろう。

■職業能力開発促進センター（職業訓練校）の運営

これは一番身近に感じる事だろう。これが国営事業でなくなるのだ。
キャリア取得をして、再就職を考える人間を切り離すと言う事なのだ。

■雇用促進住宅の運営

多くの方々が「低家賃」で世話になって来た「雇用促進住宅」の存在。
これは各人がどう考えるかだけの事であろう。


既に廃止された例を書けば、更に理解は深まると思う。

ご存知「中野サンプラザ」や「各都市のテルサ・サンプラザ」の存在だ。
確かに、採算性が取れ難い施設ではある。
中野サンプラザが「株式会社」になった事でもお判りになると思う。

しかし「各都市のテルサ・サンプラザ」は、地方公共団体に押し付けた形になった。
作るだけ作って「後はお前が運営しろ」ってのにいささか疑問を感じる。


それでは、淡々と反論を書かせて頂こう。

先ずは「職業能力開発促進センター」に関する反論である。

確かに「キャリアアップを図る為の資格取得」は一部民間に委ねられている。
しかも「補助金支給」って状況下にあるのも理解出来る。
でも、本当にそれで良いのか？　ワタシが言いたいのはそれだけである。

何処とは言わないが「独占企業的な資格の交付問題」があった事を忘れて居る。
まあ反対が起きれば、県立・市立の施設にでもするつもりだろう。

これも「押し付けがよろしい」との考えになるだけなら、笑うだけである。


次に「雇用促進住宅」に関する反論である。

平成18年8月末現在、全国に1,532住宅・3,838棟・141,722戸が存在している。
廃止を前提として考えている施設である事は確かだ。

しかし「国家公務員公舎」って存在を考えると、実に納得が行かない。

次々と廃止の憂き目に遭う「雇用促進住宅」
その反面、次々と建設が進む「国家公務員公舎」
どこか矛盾は無いか？　ワタシが言いたいのはそれだけである。

こちらも箱物維持の問題になるので「押し付け」になるだけ。
矛盾をハンマーでぶち抜いて行う行為は如何なものだろう。


ここまで書けばお判りになるだろう。

今回の解体の犠牲者は「地方公共団体」になる公算が大きいのだ。

施設と人員を各地の「財団法人●●振興公社」に押し付ける可能性が大きいのだ。
つまり「何の意味も無い解体行為」がこれからも数々起るだろう。
その都度「地方財源の圧迫」を強要する可能性が高いのだ。

無責任な時代の無責任な大臣。
無責任な大臣の指揮で行われる無責任な行政行為。
これを「オンブズマン」と言う「事なかれ団体」は何も言わない。


最後にもう一度考えて頂きたい事があるのだ。

結局・・・
「天下りを消そうとすると天下りを増やす」
「独立行政法人を否定すると地方の負担が大きくなる」

嘆くに嘆ききれない現状を、誰か救う政治家は居ないのだろうか。

その政治家に一票を入れる事が、次回の選挙の鍵になるかも知れない。


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